SERP分析は、検索結果を眺めて上位ページの見出しを集める作業ではありません。自社ページが「どの検索意図で表示され、なぜクリックされ、訪問後にどの行動へ進んだか」を、検索クエリ・ページ・端末・期間に分けて確認する作業です。
本記事では、Google Search Consoleを中心に、無料で始められる分析手順を解説します。順位だけで結論を出さず、表示回数、クリック、CTR、検索結果の構成、ランディングページ、CV導線を順番に切り分けます。
前提:検索結果は地域、端末、時期、検索状況などで異なります。手元の検索結果だけを全ユーザー共通の順位として扱わず、条件と確認日を記録してください。
SERP分析で明らかにする4つのこと
| 分析対象 | 確認する問い | 次の改善候補 |
|---|---|---|
| 表示機会 | どのクエリ・ページで表示されているか | テーマ、検索意図、対象ページ |
| クリック | 表示に対してクリックされているか | タイトル、説明文、SERP上の競合 |
| ランディング | 意図したURLが表示されているか | カニバリ、内部リンク、統合 |
| 事業成果 | 訪問後にサービス閲覧や問い合わせへ進むか | 本文、CTA、サービスとの接続 |
平均掲載順位は判断材料の一つです。表示回数が増えたことで新しいクエリの低い順位が集計され、平均が下がる場合もあります。順位、表示回数、クリックを同時に見て、ページの役割に近い成果まで確認します。
分析前に条件と基準値をそろえる
- 対象を決める:サイト全体ではなく、記事、サービス、カテゴリなど分析単位を決めます。
- 比較期間をそろえる:直近28日と前期間など、同じ日数で比較します。
- 季節性を確認する:年末、年度替わり、イベントなど需要が変わるテーマは前年同期も確認します。
- 変更履歴を用意する:公開日、タイトル変更、本文更新、転送、サイト改修を記録します。
- CVを定義する:問い合わせだけでなく、サービスページ遷移や資料閲覧なども分けます。
期間や対象が異なるデータを単純比較すると、改善による変化と需要変動を混同します。比較表には確認日、デバイス、国、検索タイプ、対象URLを残してください。
Search Consoleで行うSERP分析の手順
1. ページを指定して検索クエリを見る
検索パフォーマンスで対象ページを絞り、表示回数のあるクエリを確認します。狙った語だけでなく、別の悩み、比較語、料金語、地域語など、実際の表示クエリを検索意図ごとに分類します。
2. クリック・表示回数・CTR・順位を分ける
表示回数が増えてクリックも増えたのか、表示だけ増えたのか、クリックが減ったのかを分けます。CTRは検索順位やSERPの構成にも影響されるため、CTRだけでタイトルの良否を断定しません。
3. クエリからページへ切り替える
重要クエリを指定して「ページ」を確認します。同じ検索意図で複数URLが表示されている場合は、役割が異なるのか、ページ同士が競合しているのかを本文と内部リンクを含めて確認します。
4. 端末・国・検索での見え方を確認する
モバイルとデスクトップで差が大きい場合は、タイトルの見切れ、表示速度、表の読みやすさ、CTA操作も確認します。画像検索など別の検索タイプは、通常のウェブ検索と分けて評価します。
実際の検索結果で確認する項目
- 検索結果が記事、比較、サービス、動画、画像、ローカルなど、どの形式で構成されているか
- タイトルリンクがページのtitleと異なっていないか
- スニペットが本文のどの部分から作られているか
- 上位ページが初心者向けか、導入検討向けか、購入直前向けか
- 更新日、著者、根拠、比較条件が明確か
- 自社ページにない判断材料が何か
Googleはタイトルリンクをtitle要素だけでなく、ページ上の主要見出し、アンカーテキストなど複数の情報から自動生成すると説明しています。検索結果の表示が意図と異なる場合は、タイトルだけでなくH1や目立つ見出し、本文との整合性を確認します。
Google公式:タイトルリンクの仕組み/Google公式:スニペットの仕組み
数値パターン別に原因を切り分ける
| データの状態 | 考えられる確認先 | 最初の対応 |
|---|---|---|
| 表示回数が少ない | インデックス、需要、検索意図、内部リンク | 技術状態と対象テーマを確認 |
| 表示は多いがCTRが低い | 順位、タイトル、スニペット、SERP機能 | クエリ別・順位帯別に比較 |
| クリックが減った | 需要、順位、競合、検索結果の変化 | 期間とクエリの増減を分解 |
| 流入はあるがCVがない | 検索意図、本文、CTA、サービスとのずれ | 訪問後の導線を確認 |
| 複数URLが表示される | ページの役割、重複、内部リンク | 統合か役割分担かを判断 |
これらは原因の断定ではなく、次に調べる場所です。たとえばCTR低下はタイトルだけでなく、順位低下、広告や画像などSERP構成の変化、表示クエリの拡大でも起こります。
無料ツールの役割と使い分け
- Google Search Console:自社サイトが実際に表示・クリックされたクエリとページを確認
- Google Trends:検索関心の推移、季節性、地域差、候補語の相対比較
- Google検索:検索結果の形式、ページ種別、タイトル、スニペットを目視確認
- リッチリザルトテスト:対応する構造化データの検出とエラーを確認
- PageSpeed Insights:表示体験に関する診断材料を確認
無料ツールだけでも、自社の検索実績と検索結果の構成を確認できます。競合順位の大量追跡や大規模クロールが必要になった段階で、有料ツールを検討します。機能比較はSERP最適化ツール7選を参照してください。
分析結果を改善施策へ変換する
- 事実を記録する(例:特定クエリの表示減少)
- 仮説を分ける(需要減、順位変化、別URL表示など)
- 追加データで仮説を確認する
- 変更範囲を限定する
- 公開日と変更内容を記録する
- 同じ条件で再計測する
タイトル、本文、URL、内部リンクを同時に大きく変えると、どの変更が影響したか判断しにくくなります。ただし、誤った転送や検索対象外など重大な技術問題は先に修正します。実施漏れを防ぐ場合はSERP対策チェックリスト30項目を利用してください。
SERP分析に関するよくある質問
シークレットモードなら正確な順位を確認できますか?
個人設定の影響を減らす一助にはなりますが、地域、端末、時期などの条件差は残ります。手元の順位を全ユーザー共通の値とは扱わず、Search Consoleの実績と併用してください。
平均掲載順位が下がったら失敗ですか?
それだけでは判断できません。新しいクエリで表示が増えた場合、低い順位の表示が加わり平均が下がることがあります。表示回数、クリック、クエリ、ページを合わせて確認します。
競合の見出しを入れれば順位は上がりますか?
上がるとは断定できません。検索意図を理解する材料にはなりますが、読者に必要な独自の判断基準、一次情報、実務経験を加え、既存ページとの重複も避ける必要があります。
分析はどの頻度で行いますか?
公開直後の実装確認と、検索データが蓄積した後の評価を分けます。需要、更新頻度、表示回数によって適切な間隔は異なるため、すべての記事を同じ日数で機械的に判断しません。
まとめ|順位ではなく原因と次の行動を特定する
SERP分析では、検索クエリ、表示回数、クリック、CTR、順位、表示URL、検索結果の構成、訪問後の行動を順番に確認します。数値の変化を見つけたら、事実と仮説を分け、追加データで原因を絞り、変更履歴を残して再計測してください。
データは確認できるが、改善の優先順位が決められない方へ
モタラスでは、検索クエリ、競合、既存記事、内部導線を分析し、問い合わせにつながる改善順を整理します。


